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CaTCalc

​The Chemical and Thermodynamic Equilibrium Calculator

CaTCalc SE(標準版):各種の熱力学平衡計算、状態図計算、など

CaTCalc XE(Expert版):SEの機能+データベース開発機能

(注)Windows10以降、64bit版OS対応 

概要

CaTCalcは、Gibbs Energy最小化法を用いて熱力学平衡計算を行うソフトです。研究で利用するツールとして、特に”信頼性”を重視して開発しました。次のような特徴を有しています。

  1. 特別なアルゴリズムで、金属系は勿論、セラミックスや化合物、ガス、水溶液系などの一般的な系の計算が正しく行える。

  2. SGTE形式に準拠した非理想溶液、各種溶液モデルへの対応。大域的最小化問題についても高い信頼性を確保。

  3. わかりやすい統一的な操作性。

  4. 状態図、特性図、液相面図、多元系のUnivariant line projectionなどの作成計算、Target計算機能、凝固シミュレーションなどの各種計算機能を装備。

特徴

熱力学平衡計算は数値的最小化問題の一つですが、安定した計算が難しいという問題があります。特にセラミックスや金属間化合物などの化合物系の計算は難しい問題で、従来のソフトではうまく計算できない場合がありました。これは一言で言えば、系の平衡化学ポテンシャルが正しく計算できない場合があるためと言えますが、CaTCalcは、この問題の解決を第一の目的として開発しました。数年にわたる悪戦苦闘の結果、何とか根本的に解決できましたので、下図のような従来困難であった計算でも自動で安定した計算が可能です。

 下図のFig.1(a)はSi-O系のGibbsエネルギーを図示したものです。この系で、もし全体組成がSiO2の場合、固相のSiO2のみが安定で出現相となります。その場合、Gibbsエネルギー曲線はSiO2組成で折れ曲がるため、接線は定まらず、各元素の化学ポテンシャルも定まりません。これが従来のGibbsエネルギー最小化計算の状況でした。しかし、本来、例え固相のSiO2のみだとしても、物理の問題としては各元素の化学ポテンシャルは定まっているはずです。これはガス相を考慮すればわかります。つまり、SiO2固相の近傍にはそれと平衡する圧力の平衡蒸気が存在しうるはずです。その状況をFig.1(b)に示します。この平衡蒸気は必ず幾つかの成分を含む溶体なのでそのGibbsエネルギーは組成に対して滑らかに変化します。よってその接線は必ず一意に定まりますので、元素の化学ポテンシャルも一意に定まることになります。なお、この平衡蒸気は、計算のガス圧を下げるか、不活性ガスを導入すれば現実に出現する相になります。CaTCalcにはこのガス相のGibbsエネルギー最小化のアルゴリズムを装備しました。これは恐らく世界で唯一の機能ですが、そのおかげで平衡計算の安定性が大幅に向上しています。もし平衡計算や状態図計算が​うまく出来ずお困りの場合はCaTCalcをお試し下さい。

下図は、従来、計算が困難であった状態図計算の例です。CaTCalcではデータベースから読み込まれた全ての相を含んで自動で正しく計算できます。これは構成元素の平衡化学ポテンシャルを常に正しく決定して、それぞれの相の安定性を正しく評価できているためです。

Ca2SiO4-Mg2SiO4.png

Fig.2 Phase diagram of the Ca2SiO4-Mg2SiO4 system.

Fe7C3-Cr7C3.png

Fig.3 Phase diagram of the Fe7C3-Cr7C3 system.

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